Vol.2 売れる経理屋

さすらいながら学んだ経理屋の
ノウハウをお伝えします

「尻合わせまで半分、尻合わせに半分」

前回は「まず「顔」を見せて!」、というタイトルで、「具体的な数値を、それがわかる表で示して、その上で報告してください。」というお話しをさせて頂きました。

今回は、「尻」にまつわる話です。
なんだかお下品ですみません。
でも、「モットーマネージャー」としては、多少刺激的なモットーの方が、頭に引っかかっていいと思っています。
お気に触りましたらお許し下さい。

さて、「尻」にまつわる決まり文句、これは二つあります。
まずは、「尻のない表はバリューなし」について話をさせて頂き、次に、「尻合わせまで半分、尻合わせに半分」を語らせて頂きます。
このどちらも、私のサラリーマン人生27年、使用頻度が非常に高いモットーです。

まずは、「尻のない表はバリューなし」、から行きましょう。
私はかつて勤めた全ての会社で、「まず「顔」を見せて」との言葉の下、様々な表の作成を依頼しました。
すると、残念な事ですが、その表に「合計欄」が欠落している率は、どの会社の経理部門で働いていても、50%は超えていると思います。
これは5つの点で、由々しき問題なのです。

  • (1) 表の作成者が、資料の結果を理解しないまま、報告している事
  • (2) 「合計欄」があれば気付くはずのエラーに気付かなくなっている点
  • (3) そのエラーに「気付かなくってもいいんだ」と考えている作成者の姿勢
  • (4) 表の作成者が上司に報告する際、その表について何らかの「判断」を「短時間」で求めているはずなのに、その手段を提供していない事
  • (5) ちゃんとした会社の経理社員の過半数が、表の合計欄を出さないまま、上司に報告する事

私は、自分の部下が何かの表を作成し、判断を求めて来た時には、大抵の場合、以下の手順で仕事を進めます。

  • (1) まずその表の趣旨・目的を理解します
  • (2) 次に、その表の合計欄を見ます
  • (3) 最後にサンプルとして、表の中の一行を選び、その数値の「作り」を理解します

当たり前の手順ですよね。
ほとんどのマネージャーも、同じ手順で仕事をしていると思います。

そうすると、「尻のない表」が出てきた場合、「なるほど、表の趣旨は判りました。でも結論がありません。尻つけて持って来て下さい。」と即座に差し戻しになる訳です。
是非そうならないよう、気をつけてください、と言うか、「尻」をつけて下さい。
とにかく「尻をつける」だけで、あなたの経理屋としてのバリューは「上位50%以内」に入る訳です。簡単でしょう?

次に、「尻合わせまで半分、尻合わせに半分」、に行きましょう。
「いやー参った、尻つけなきゃ」というわけで、「合計欄」を皆様、作成します。
そうなると、50%を超える確率で、以下が起こります。
「あれ、この数値、私が言おうと思っていた事と違う。おかしい。」
「あれ、この数値、合うべき数値と合わない。おかしい。」
作成者もそう思いますし、ましてや、それに対して判断を求められる私は、「合計欄」の数値のうち一つは、私の知っている数値と合わせようとします。
例えば、「全社員の交通費」についての資料なら、「社員数の合計が、人員表の合計と合っているか」をチェックする訳です。
これも当たり前ですよね。
でもこれは、表を作る人にとっては難しい。
多くのエラーがある事がわかります。
特定の支店の社員がもれていたり、データが欠落していたり、自分のエラーがあったり。
これらのエラーを直すには、合計欄の数値を、既存のどこかの数値と合わせるのが一番です。絶対。
でもこれが、時間がかかるのです。
まず一発では合いません。

だから、表を作る際は、時間配分として、「尻合わせまで半分、尻合わせに半分」で考えて下さい、と私は言っています。
多くの方が、表が出来たら仕事が終わり、ということで考えがちですが、そうではないのです。
表の形を作り、合計欄を作り、その数値を出すまでにかかる時間。
それと同じくらいの時間が、合計欄の数値を他の数値と合わせるのにかかります。
首を傾げているあなた、やってみて下さい。ホントですから。
そして、この「尻あわせ」に苦闘している間に、いろいろな学びや、分析が作成者の中でされるのです。
それがその表のバリューを飛躍的に高めるのです。
ですから、「尻のない表は、バリューなし」なのです。未成熟なのです。

ハイ、もう一度。
「尻のない表はバリューなし」
「尻合わせまで半分、尻合わせに半分」

今回は少し長く書いてしまいました。
熱く語りすぎたかもしれません。
今回はこの辺りで。

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プロフィール

井筒 廣之
1984年、日系メーカー入社。経理屋として仕事を始める。
1990年、社内ベンチャーに挑戦、一応成功する。
1997年、メーカー退職、本当のベンチャー企業に挑戦。資金難で「胃が口から出そうな」苦しみを味わう。
1999年、大手飲料会社の管理課長として転職。管理部長に昇進。
2004年、商社CFOとして転職。
2007年、マンパワー・ジャパン(現マンパワーグループ)入社。
2014年、取締役代表執行役社長退任。

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