Vol.8 売れる経理屋

さすらいながら学んだ経理屋の
ノウハウをお伝えします

結局、長時間勤務者が勝つ?

本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、今回は何とも気詰まりなタイトルで始めさせて頂きました。

今まで数回、経理屋としてどうすれば経営者が求める資料を作れるか、を中心に説明してきました。簡単な事、当たり前な事の積み重ねですが、それらが意外なほど、経理の現場で実施されていない事を折に触れて説明してきました。ちなみに、過去の「売れる経理屋」で申し上げてきた「簡単なのにできていない」項目と、その「実施率」は以下の通りです。

問題が発生した時、「表」と共に説明する 50%
その表に「合計欄」が付いている 50%
その表のキーポイントに○打ちがされている 50%
その表に、前回報告時の数値が書かれている 50%
その表に、「主文」が大きく書かれている 25%

上記すべてがきっちり書かれている表に出会う可能性はかなり低いのです。20%程度、と言った所でしょうか。当たり前のことなのに何故これらの実施率が低いのでしょう?それは、まず第一に、問題点の把握に時間がかかり、その上、それを判りやすい資料に「育てる」のは時間がかかるからだと思います。そして、これらの業務は経理屋としての日常業務に加えて実施しなければならない場合がほとんどなのです。

そんな事もあり、「売れる経理屋」にあてはまる方は、まず間違いなく「長時間勤務者」です。何とも気が塞ぐコメントです。「売れる経理屋」として必要な事をテクニック的に列挙して行った果てには、「結局の所、どれだけモニタの前で頑張れるかです」が結論、と言う、実もフタもない話になってしまいました。更に、「売れる経理屋」が「長時間勤務者」になっている率は、「売れるマーケッター」が「長時間勤務者」になっている率よりはるかに高いと思います。その理由は明確で、経理屋が資料を作るプロセスは、「積み上げ型」、つまりレンガを一つ一つ積み上げて行くイメージです。この手の作業はどうしても時間がかかります。一方で、マーケッターの典型的な作業、例えば製品のパッケージの色は何が良いか、的な業務は、直感がモノをいうシーンが多くみられ、この作業を「愚直に積み上げる」と、却って変な結論になってしまう場合が多いのではないか、と思います。

では、「売れる経理屋」だけが長時間勤務者か?と考えると、これははっきり違います。「売れない経理屋」も、実は大部分の方が長時間勤務者です。ただし、同じ長時間勤務者でも、「売れる経理屋」は基礎数値や日常業務を終了するのにかかる比率が低い方が多いと思います。そこは何故か?「売れる経理屋」の方々は、自分が担当している基礎作業部分を「メカ化」している方が多く、そうなると、自分が出すべき資料が自動的に算出されるか、他の方が作成してくれる場合が多くなります。そこで余った時間が、「売れる業務」に振り向けられる事になるのです。また、そういった「メカ化」の際に、普段と違った角度から数値の流れを見る事になり、その際「普段気がつかなかった問題点」が浮かび上がる事が多いのが、もう一つの理由になると思います。

と、言う事で、どのみち長時間勤務するなら、「売れる経理屋」がいいですよね?と言う事なのだと思います。

一方、「売れなくていいなら、短時間勤務の方が良いですよね?」とも言いたいのですが、これはそう簡単にはいかないのです。何故ならば、そんな風に仕事をしていると、生真面目な方が多い経理部では「あいつだけさっさと帰りやがって、仕事量が少ない。」と思われがちで、結局余分な仕事が与えられ、長時間勤務になってしまうのです。全く素敵ではありませんが、これも日常的に経理組織で見られる光景です。

そうなると結論は「結局、経理屋は皆、夜が遅くなる」のです。おたくの会社もそうでしょ? どのみち長時間勤務するなら、「売れる経理屋」がいいのではないでしょうか。今回はこの辺りで終了!

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プロフィール

井筒 廣之
1984年、日系メーカー入社。経理屋として仕事を始める。
1990年、社内ベンチャーに挑戦、一応成功する。
1997年、メーカー退職、本当のベンチャー企業に挑戦。資金難で「胃が口から出そうな」苦しみを味わう。
1999年、大手飲料会社の管理課長として転職。管理部長に昇進。
2004年、商社CFOとして転職。
2007年、マンパワー・ジャパン(現マンパワーグループ)入社。
2014年、取締役代表執行役社長退任。

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